臨床工学技士を辞めた人のその後|転職先と後悔の有無を現役CEが見てきた話

辞めた人って、その後どうなってるんだろう…。辞めたい気持ちはあるけど、先が見えないと動けないな
「辞めたい」と思っても、辞めた後にどうなるかが見えないと、なかなか動けないものだと思います。
僕はこれまで、同じ職場から人が辞めていくのを何度も見てきました。その後どうなったかを知っている人もいます。この記事では、臨床工学技士を辞めた人のその後を、見てきた範囲で正直に書きます。
求人票を見れば給与も勤務時間も分かりますが、辞めた人がその後どうなったかは、身近に例がないと見えません。この記事が、その一例になればと思っています。
結論:辞めた後の進路は大きく3つ
先に結論を書きます。CEを辞めた人の進路は、だいたい次の3つに分かれます。
- 同じ職種で別の施設へ移る(僕の周りではこれが最も多い)
- 医療業界内の別職種へ移る(医療機器メーカー、商社、治験関連)
- 医療業界から完全に離れる(僕の周りにはいませんでした)
そして、どれを選んだかによって、その後の満足度がはっきり分かれている印象があります。
データで見る:医療職が職場を変えるのは珍しくない
辞めた後の話に入る前に、前提をひとつ置いておきます。医療の現場で人が入れ替わるのは、特別なことではありません。
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、働く人全体の1年間の離職率は14.2%、入職率は14.8%でした。ざっくり言えば、1年でおよそ7人に1人が職場を離れ、同じくらいの人が入ってきている計算です。
新卒に絞ると、医療の現場はもう少し高くなります。大学を出て就職した人の3年以内離職率は全体で33.8%、そのうち「医療,福祉」に就職した人では40.8%でした(令和4年3月卒業者)。
- 働く人全体の年間離職率は14.2%(令和6年)
- 大卒3年以内の離職率は全体33.8%、「医療,福祉」では40.8%(令和4年3月卒)
- 辞めることも、辞めた人を見送ることも、珍しいことではない
つまり、同僚が辞めていくのも、自分が辞めることを考えるのも、統計的には普通のことです。大事なのは「辞めるかどうか」より、辞めた先で何が起きるかだと思います。
臨床工学技士を辞めた人の行き先|同じ職場から見てきた例
同じ職種で別の施設へ移る
いったん透析クリニックを経由して、そこから総合病院へ移った人がいます。
クリニックは給与が良かったものの、将来への不安が残ったのが理由だそうです。
総合病院を受けるときに本気で転職活動をして、それが結果につながってよかったと言っていました。
医療業界内の別職種へ移る
働き方は大きく変わったものの、年収は大きく上がったと言っていました。
これまでなかった出張や県外での研修も増えて、刺激とやりがいが増したそうです。
普段は出社したあと各施設を回るので、移動はほとんど車だそうです。
本人としては、やはり年収が大きく上がったことがいちばん良かったようです。
3つの進路、それぞれの現実
ここまで見てきた進路を、僕なりに整理するとこうなります。
| 進路 | これまでの経験 | 働き方の変化 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 同じ職種で別の施設へ | そのまま活きる | 小さい | 施設ごとの文化差は大きい。人間関係は入ってみないと分からない |
| 医療業界内の別職種へ | 知識は活きるが手技は使わない | 大きい(出張・移動・数字目標) | 臨床から離れる期間が長いほど、現場の感覚は鈍る |
| 医療業界から離れる | 活かしにくい | いちばん大きい | 資格や経験が評価されにくく、給与が一度リセットされやすい |
僕の周りで多かったのは1つ目、次いで2つ目でした。3つ目を選んだ人は見ていないので、ここだけは一般論として書いています。

やっぱり同じ職種で移るのが無難なのかな

経験値をそのまま活かせるから無難ではあるよ。ただ、辞めたい理由が「職種そのもの」なら、同じ職種で移っても同じ壁にぶつかるはず。
辞めてよかったと言っていた人の共通点
- 年収が上がった
- 職場の環境(人間関係)がよくなった
この2つは、辞める前に調べられる度合いがまったく違います。
そして、満足度に効いていたのは年収だけではありませんでした。年収が上がっても人間関係で苦しくなった人がいる以上、条件の良さと働きやすさは別物だということです。
逆に、うまくいかなかったケース
中には年収は上がったものの、人間関係がうまくいかなかったという人もいました。
年収は募集要項で確認できますが、人間関係や職場の雰囲気は入職してみないと分かりません。ここが転職のいちばん難しいところだと思います。
それでも、事前にできることはあります。見学で職場の空気を見る、勤務表を見せてもらう、人の入れ替わりが多いかをそれとなく聞いておく。完全には読めませんが、情報が増えるほど外す確率は下がります。

年収さえ上がれば解決なんじゃないの?

そこだけで選ぶと、人間関係で外すことがあるんだよね
僕自身が総合病院から透析クリニックへ移ったとき
僕自身も、総合病院から透析クリニックへ転職しています。結果として年収が80万円ほど上がり、労働時間も減りました(年収が80万円上がった転職の話)。その余裕ができたことが、副業を始めるきっかけにもなっています。
正直、不安はあまりありませんでした。しいて言えば、通勤時間が少し延びることくらいです。

移るとき、不安はなかったの?

通勤が少し延びるくらいで、正直あまりなかったよ
辞める前に確認しておきたいこと
辞めた後のことが見えないまま動くと、選択肢が狭い状態で決めることになります。
- 次を決めてから辞める
- 在籍中に求人を見て、相場を知っておく
- 辞める理由が「環境」なのか「職種そのもの」なのかを切り分ける
- 見学に行って「人」を見ておく
次を決めてから辞める
退職してから探すと、「早く決めなければ」という焦りが判断を鈍らせます。在職中なら、条件の合わない求人を断れます。この断れる状態が、いちばんの武器です。
在籍中に求人を見て、相場を知っておく
今の給与が高いのか低いのかは、外を見ないと分かりません。応募しなくても、地域の求人を眺めるだけで基準ができます。基準があると「ここしかない」という思い込みが外れます。
辞める理由が「環境」なのか「職種そのもの」なのかを切り分ける
人間関係・シフト・給与が理由なら、職場を変えれば解決します。CEという仕事自体が合わないのであれば、同じ職種で移っても同じところでつまずきます。ここを分けないまま動くと、転職を繰り返すことになりがちです。
見学に行って「人」を見ておく
年収や勤務時間は募集要項に書いてありますが、いちばん読めないのが人間関係です。見学に行けるなら、スタッフ同士の会話の量や、質問したときの反応を見ておくと、雰囲気はある程度つかめます。
よくある質問
辞めたら経歴に傷がつきますか
短期間で辞めた事実そのものより、理由を説明できるかどうかが見られます。「つらかったから」ではなく「この環境では〇〇が身につかないと判断した」と言えるなら、大きなマイナスにはなりにくいです。
在職中と退職後、どちらが有利ですか
収入が途切れず、条件の合わない求人を断る余裕もある在職中のほうが有利です。ただし、眠れない・食べられないといった不調が出ているなら話は別で、そのときは休むことを優先してください。
メーカーに移ったら臨床には戻れませんか
絶対に戻れないわけではありません。ただ、臨床を離れる期間が長くなるほど手技や機器の感覚は鈍ります。戻る可能性を残しておきたいなら、資格や研修を切らさないようにしておくと安心です。
まとめ
- 辞めた後の進路は、同じ職種・業界内の別職種・業界外の3つ
- 僕の周りでいちばん多かったのは、同じ職種で別の施設へ移るパターン
- 満足度を分けていたのは、年収よりも働きやすさ
- 動くなら在職中に。断れる状態を持っておく
転職をためらう理由の多くは、行動経済学でいう現状維持バイアスで説明できます。人は変化にともなう損失を、得られるものより大きく見積もる傾向があるためです。転職が絶対の正解ではありませんが、今の職場そのものを変えようとするより、自分が合う環境へ移るほうが現実的だと僕は思っています。
僕の周りでは、「転職しなければよかった」と言っている人は今のところいません。もちろん見てきた範囲の話なので、全員に当てはまるとは限りません。転職を考えているなら、まずは辞めたい理由を書き出して、自分の転職軸をはっきりさせるところから始めるのがいいと思います。
在職中に動くぶんには、失うものはほとんどありません。応募したからといって辞める義務もないので、情報収集から始めてみる価値は十分にあります。
出典
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